木村 龍太12期生
主な出演作 【映画】「ウルヴァリン:SAMURAI」 監督:James Mangold 【NHK大河ドラマ】「八重の桜」 【CM】スクウェア・エニックス「ドラゴンクエストX 目覚めし5つの種族 オンライン」 【CM】ジョージア「男ですみません ~サマー篇~」 【CM】ニッセイ「未来創造物語」 ~入社式篇~ ほか多数 大学を中退して本校へ入学した木村さん。1年生を2度経験して自分が大きく変化したと感じたそうです。主に入学から在校時のお話をお伺いしてみました。
アカデミ今日はよろしくお願い致します。
木村よろしくお願いします。
アカデミまずは入学したきっかけを教えてください。なぜ演技をしてみたいと思ったんですか?
木村僕は、18歳のころに自主制作映画のスタッフの仕事をお手伝いさせて頂いてまして、生まれて初めて役者が間近に演技を見たんです。言い方は悪いんですが、それまでぺちゃくちゃしゃべっていた人が急に嘘くさい芝居を始める…そういうことがすごく発見で、面白そうだったんです。
アカデミ裏方さんから出演者に興味が移ってきたんですね?
木村映画を見る人って、たぶん演じるほうにも興味があると思うんです。誰もがスクリーンの向こうにいる者に対する憧れといいますか。でも、それを本当はやりたくても「役者になりたい」とか、「俳優になりたい」と人にいうのはやっぱり恥ずかしいですし。僕の場合は今になって振り返ると、そういうスタッフであれば「仕事」ですし、そういうふうだったら言いやすいかなと思ってまして。
アカデミ心の奥にあった気持ちに気づいた…?
木村芝居が身近にあるというか、俳優さんが身近なものに感じられて。それで周りの、親とかそういった人にも伝えられたんです。
アカデミこういう学校に行ってみたいと。ご両親に伝えたんですね?
木村その時に大学やめたんで(笑)
アカデミえぇ!…。ということは、大学にいる間に、映画のスタッフをやって…
木村そうです。全然関係ないことをやっていたんで…そんなことで学校にはほとんど行ってなかったんですけど(笑)。そういうことで親も心配してまして。こいつは何をやっているんだって。
アカデミ大学を…ご両親はその時なんと?
木村でも、意外と話してみると…僕の父親も何か、生活のための仕事といいますか。俺も昔は…なんてそういう。わかるって。いってくれまして。まぁ、やりたきゃ いいよと。そんな感じでした。
アカデミ受け入れて、賛成して頂いたんですね。
木村そうですね、芝居を始めるぞっていうときに応援をしてくれたので、すごくありがたかったと本当に思います。
アカデミあまたの俳優養成学校のなかからここを選ばれたのは?
木村あ、それ僕はなかったんです。
アカデミ本当ですか?
木村実はここのことは高校生の頃から知ってまして。行くならここだと、思っていましたので。でも僕は本科にイキナリ数年間入るのはちょっと怖かったので、違ったらどうしようとか、やったことなかったので。それで夜間の3か月ワークショップを3回、一年を通して受講しました。でそのまま流れで本科に入ると決めまして。なので無理をしないで入ってきた気がします。
アカデミそうだったんですね。ではこんどは入ってみて、ワークショップと本科の違いは何かありましたか?
木村夜間のワークショップは他に芝居の仕事をしている人が来ることもあったし、僕みたいな初めての人もいたし。本当にいろんな人がいたので面白かったですね。本科生でワークショップも取っている人たちがいてそれを見て凄いなぁなんて思ったりもしていました。
アカデミなかでも決定的な違いだと感じたのはどのようなものでしょう?
木村一番の違いはお互いが普段のクラスでうまくいかなかったり、ふてくされたり、そういう姿をお互いさらしあってきた中で最後にやっていくっていうのがすごくいいなぁと。やっぱり継続的にやるので短期でやるよりは、その蓄積はあるんじゃないかなと思います。卒業して外に出れば1ヶ月稽古してすぐ本番ていうのもありますし。
アカデミでは入ってみて、あれっ?て思ったことってありますか?
木村一年目をもう一回やる人が同じクラスにいまして。それはやはりどこか意識しました。
アカデミ意識といいますと?
木村今思えば本当に失礼なんですが…、なんといますか、やっぱり「ダメだから留年したんだ」というような。そういう見方をしてたんです。でも実は、僕自身がもう一回一年生をやったんです。
アカデミそれは…
木村一年生の最後に来年あなたはこういう感じでお願いしますという連絡が来るんです。僕はバイト中に電話頂いて、来年もう一回ですって言われてその場で泣きました。だから 一年生をもう一回やるっていう時はもう絶対負けられないという思いで一年間ずっとやったんです。
アカデミ悔しさをエネルギーにされて。二回やってよかったと。
木村本当によかったです。だけど、最近の人たちは自分からもう一年受講されてると聞きます。それはそれでいいんですが、もう一回やることが自分のバネになればもっといいと思うんです。自分の場合そういった流れもありまして、絶対にもうこの一年間で小さな世界だけどこのクラスの中で絶対自分は飛びぬけると思ってやってこれましたので。
アカデミ気持ちをどう持つのかということでしょうか?
木村そうですね。ただ学ぶ時間を増やすだけにしてほしくないと思うんです。なのでもし、もう一年やるなら、それを自分の猶予期間にしないで、もう一年やるのはどういうことか?ということを思って過ごしてくれたらいいなぁと思います。僕はあの一年があったことで人間性も本当に違うものになりましたので。凄く貴重な時間でした。
アカデミでは、次は、授業を受講していた時に、何か工夫していたことってありますか?
木村工夫、いやぁ、怖くなったら出る。最初に何かやる時に誰かやる人?って先生がいうんですが、その時に積極的にやるようにしていました。
アカデミ授業中にやりたい人?と聞かれたときにやるんですね?
木村クラスは平等なので毎回僕ってわけにはいかないんですが、そのやっている二人がうまくいかなかったときに「じゃぁ代わりに出て」ってときがあるんです。そういうときは、見るときに凄く集中して見るようにして、途中から良くないなと思った時にはもう自分から「俺にやらせろ俺にやらせろ」という目で。見てるときも、自分がやっているかのようにみてるというか。自分も参加するようにしてみていました。それは特に2年目の時からですね。
アカデミでは仲間について。仲間いかがでしたか?当時のなにかエピソードはありますか?
木村そうですね。在学中に舞台をやったのを覚えています。入って一年生の夏に、本当にこれが初舞台で。一本通して照明と音響入れてお客様呼んで。
アカデミどんな本だったんですか?
木村ハツカネズミと人間です。僕はカールソンていう、ワンちゃんを殺しちゃう役でした。稽古場も取って、キャンプも行ったりしまして。
アカデミそれは楽しそうですね。彼らといまでは?
木村もちろん今でも付き合いあります。僕がダブったんで卒業は違いますが。彼らもみんなそれが初舞台でそういう思い出があるので、いい仲間に恵まれてるなぁと思います。アシスタントのかたに、卒業した時にいい仲間ができたといえるような過ごし方ができたらいいんじゃないかと言われてましたし。
アカデミで、2年生の一年間を経て卒業公演へ。
木村そういう流れで2年生になりましたので、まず自分がこの期で絶対一番になりたいと思ったんです。卒業公演で絶対メインを取りたいと。そのためには、ずっと普段からちゃんとやっていかないと、たぶんトータルで色々決まっていくと思っていましたので。2年目と2年生の2年間はそういう過ごしかたをしていました。それで卒業公演も主役を頂けまして。
アカデミ卒業後はすぐに事務所へ入られたんですか?
木村僕の場合は12月の卒業公演のあと、2月頃に事務所に誘って頂けましてお世話になっています。
アカデミそして今年はハリウッド映画や大河ドラマにご出演されてご活躍の一年間だったと思いますが、今後の改善など、取り組んでおいでのことってありますか?
木村オーディションや撮影って初めていく場所初めて会う人とやることが多いのですが、その中で、どれだけ飛び込めるかってことを大事にしたいな、と思ってます。やっぱり萎縮したりとか、するんで。それでやりきれなかったりするとすごい悔しいんです。以前撮影でNG出してしまったら、ビビってしまってそこからもう冒険出来なくなってしまったりとか。本当に悔しくて。だから場数踏んで経験していけるよう自分からオーディション受けたりそういう機会を意識的に増やしてます。とにかく現場に出ること。経験を積んでいくこと。まだまだヘタクソなので。そして面白い方達と出会って作品を作っていくことです。その中で、いつかは「あの役は木村龍太」が良いんじゃないかと言ってもらえる、呼んでもらえるくらい役者として存在出来るよう頑張りたいです。
アカデミそれでは最後に、これから役者を目指そうとしている方にひとことお願い致します。
木村悔いがないように頑張ってください!いい仲間に出会えるように、自分の判断基準、価値観を持っていたほうがいいと思います。いい仲間が本当に大切だと思いますので!